今の時代の会計にはIT化DX化が必須と考えるGENでは、クライアント様でも簡単に活用できるクラウドシステムについて幅広く研究を行っています。
現状、社内ではサイボウズ株式会社が提供しているkintoneというビジネスアプリ作成クラウドサービスを利用。初心者でも簡単に必要なアプリを作ることができ、データ管理・プロセス管理・情報共有に重宝しているのですが、更なる活用機会の可能性を探っていました。
そんな中、この度ご縁あって、株式会社Fast Fitness Japan IT企画室 室長の星野 幸太郎様にお話を伺うことができました!
活用事例について具体的なお話を伺うことで、Kintoneの魅力や活かし方だけでなく、社内開発型システムを用いた内部統制のあり方、IT開発におけるリーダーシップのあり方など本質的な管理体制についても勉強させていただきました。
星野様の素敵なお人柄も合わせてお伝えしていきたいと思います!
--------------- この度は、貴重な機会をいただきありがとうございます。
GENは業務のIT化に力を入れており、Kintoneでアプリを独自に作成・運用する中で、うまく活用できて
いること、活用しきれていないと感じることがあります。
本日は御社におけるKintone活用術をお教え願えればと...
星野さん あ、もしかして緊張されてます?聞いていて僕も緊張してきちゃいましたよ(笑)
せっかくの機会ですし、ラフに楽しくいきましょう♪
ぼく、そういうタイプの人間なので(笑)
--------------- そうですね(汗)ではざっくばらんにいきましょうか!(全体ほっこり☺)
--------------- 早速ですが、御社の事業内容を教えてください!
星野さん 株式会社Fast Fitness Japanは米国発、24時間利用できるフィットネスクラブ「エニタイムフィットネス」
を、日本でマスターフランチャイザーとして店舗展開しています。
設立から10年ですが、現在、797店舗を誇っています。日本ではマシン特化型ジムのパイオニアでシェアの
40%近くを占めています。
--------------- すごいですね!ホームページも拝見させて頂いたのですが、理念が強い企業だなと感じました。
星野さんご自身はどのような業務をされているんですか?
星野さん 私はIT企画室という現在所属3名の部署で主に3つの業務に携わっています。
1、全社の情報システム管理
2、IT統制所管
3、店舗を含むチェーン全体に影響のある一部のITプロジェクト管理
--------------- 少人数でそんなに多岐に渡るIT業務をされているんですね!
チェーン全体となるとフランチャイズビジネスの知識も必要ですよね。
星野さん 私は、かれこれ20年近く「フランチャイズビジネス」における「IT」に携わっているので...
--------------- その道のプロなのですね!またその方面のお話も是非次の機会に伺いたいです。
--------------- GENでは以前、日報の管理をGoogleのスプレッドシートで行っていたのですがなかなかまとめるのが煩雑
で昨年の2月からKintoneへの移行を開始しました。
Kintoneの公式HPに掲載の御社の活用事例から御社と導入に至る境遇が似ていると感じたのですが、実際
のところはいかがでしたか?
星野さん 実は、ぼくが入社した時点でもう既にKintoneは導入されていたんですよ!
その記事に書かれている通り、ITの専門知識や経験がない女性社員2人で導入し、その後3~4ヶ月で、約
90個もの新規アプリを作成したっていうから驚きでした!
--------------- パワフルですね!確かに自分たちで自由に作れる面白さがありますよね!
現在はいくつぐらいのアプリが存在するんですか?
星野さん 過去から現在までに作られた個数だと540個くらいありますかね。実際に使用中になっているのはその内
170個くらいかと。
--------------- 私たちも簡単に作れるのでどんどん数が増えていき、気付くと似たアプリが重複しているという状態にな
っているのですが、そんなご経験はありませんか?
星野さん 私たちも以前は誰でも好きにアプリを作れたので同じ悩みを抱えていました。
そこでアプリの整理整頓のために既存のアプリの棚卸しを行い、アプリの新規作成を申請制にしたんです
よ。
幸いうちは各部署に一人はITに強い人材がいてその人たちを「アンバサダー」と私が勝手に名付けていま
すが(笑)、管理方法の統一を図って、アンバサダーが新たにアプリを作成したい場合は「理由」と「目
的」を明確にして星野を説得しないといけないという環境を作り出しました(笑)
--------------- なるほど!星野さんは「人間IT統制」ですね!
アプリ作成時に社内からの要望に応えきれず困ってしまうことがあるのですが、星野さんはどの様に対応
されていますか?
星野さん あ、僕自身はアプリを作らないんです!(笑)
新たにアプリを作りたい場合はその社員が私にメールで申請し、アプリ自体はその人が作るという流れで
す。
アンバサダーの裁量に任せ、各部署での現場のニーズに応えてもらっています。
--------------- そうなんですね!自由裁量を与え、かつ締めるところはところは締めて、バランスよく統制されているの
ですねー。
--------------- GENではKintoneに標準装備されている機能のみ使えるライトプランを採用していますが、他社が作ったプ
ラグイン(機能拡張)を購入して実装できて、プログラムを自分で組むことができるスタンダードプラン
への変更を検討しています。
御社ではどのような流れでスタンダードプランを導入したのですか?
星野さん スタンダードプランの無料試用期間にアプリを作り込んで実際に業務でも利用していたので、試用期間が
終わるときには、もうそれ無しだと仕事が回らない状態になっていました!
利用した社員からも高評価で様々な業務で活用できるので費用対効果は高いと判断し、そのまま契約しま
した。
--------------- なるほど!スタートからパワフルだったのですね。
プラグインではどのようなものを活用されていますか?
星野さん クライアント間ではKintone内のデータを自動で外部に公開・バックアップ管理する「kViewer」や
「kBackup」、帳票出力サービスの「プリントクリエイター」等を多用しています。
具体的な話をすると、例えば、直営店舗と本社間でアルバイトの交通費精算を行う際、今までは各スタッ
フがExcelに入力してそれをデータ処理し、印刷して、本社に送って...と相当な手間がかかっていました
が、これらのアプリを使うようになってから、各自が自ら登録してもらうだけで自動的に本社でも確認で
きるため、かなり効率的になりましたね。
--------------- 確かに便利そうです!他にも成功事例を紹介頂けますか?
星野さん 稟議書ですね。稟議書はもう3~4年前からKintoneで運用していますが、つい最近まで、プリントクリエー
ターを使用して紙にも出力していました。ここ1~2か月の間にそれを廃止してアプリ上だけでフローが
完結するようになったところ、承認がおりるのが早くなって自分もその恩恵を受けています(笑)
わざわざ紙で稟議書を印刷して、ハンコを求めて人を探す労力が省けるので、押印を承認システムにかえ
られるのは非常に大きなメリットです。
--------------- コロナ禍でペーパーレスやデジタル化を検討している会社が増加しています。そのような会社で、まさに
利用価値がありそうです。
IT統制的に、自社開発アプリを用いることに対しての問題はないのでしょうか。
星野さん 上場企業でも利用している企業は多くありますし、IT統制という観点からは、①権限の管理がされている
②承認が後戻りできない という2点がおさえられていれば問題ないと考えています。
--------------- 内部統制の整備運用もしっかりされているのですね。勉強になります。
ちなみにサイボウズに対してもっとこうしてほしい!といった 要望等はありますか?
星野さん そうですね(笑)、トップページのレイアウトにもう少し柔軟さがあると嬉しいですね。
現場社員と本部の人間でKintoneログイン後に開く画面が同じなのは少し不便なので、そのあたりの自由度
を高めてもらえると助かります!
--------------- 同感です!
スマホでのアプリを利用する際の使い勝手も改善してほしいです。
星野さん 確かにそうですが、うちでは入力が必要な作業はPCで、見るだけならスマホという形で使い方を割り切っ
ています。
--------------- ここまで色々なお話をお伺いしてきましたが、星野様のリーダーシップのあり方 に大きな魅力を感じま
した。
それは星野さんのお人柄、長年の経験があってこそなせる業かと思いますが、アンバサダーのチームビル
ディング時に工夫されていることはありますか?
星野さん 恐縮です。そんな大それたことはしていませんが(笑)、「思考を共有する」ということは意識していま
す。
ITインフラの整備・運用の仕事は自分一人ではできないので、「みんな助けて!」というスタンスを共有
し、一方、アンバサダーからの要望にはスピーディーに対応するように心がけています。
アンバサダーに何か依頼したり、手伝って欲しいことをお願いしたりするときは、アプリ作成時の様に常
に「理由」と「目的」を明確に伝えあうことで良好なコミュニケーションを図ることを意識しています
ね。
--------------- さすがです!
我々も星野さんのようなリーダーシップを目指します!
ー自然と周りの人を惹きつける星野さんのお話に魅了され、あっという間にインタビューの時間が過ぎてしまいました。
少人数ながらも、全社を巻き込み、Kintoneの活用による業務効率化を力強く促進し、ビジネスの急成長を支えておられる株式会社Fast Fitness JapanのIT部門。
その秘訣は、素敵な「協力体制」にありました。
星野さんの魅力と経験に裏打ちされた統率力。高い現場力と柔軟性をもつ「アンバサダー」の皆様。互いに「思考の共有」を大切にし、お互いへの思いやりも忘れない、という素敵な「協力体制」。この「協力体制」は、IT化促進のみならず、適切な運用・環境づくりも同時に実現する、という好循環を創出しています。
ITを活かすのも、結局は人間力ですね!
コラム「kintoneってどういうシステム?」
業務システムのアプリ化で、業務効率化とチーム統率
kintoneはドラッグ&ドロップの操作だけでアプリを作成できる、クラウド型プラットフォームです。必要な項目を並べることで、システムの専門知識がなくてもイメージ通りのアプリを作成することができます。
紙ベースの管理だったり、部署ごとに異なるシステムを使っていたり...、
散在していたデータをkintoneひとつで管理することで、業務の効率化につながります。
データの集計にも優れ、一覧表示のカスタマイズやデータをグラフ化することも可能です。
業務の見える化にも大活躍で、アプリ上に「いつ」「誰が」「どのデータを更新したか」という変更履歴が自動で残ります。
また、プロセス管理機能を使うことで、業務の進捗管理や申請業務における承認・差戻しといったワークフローの設定も行うことができます。
さらに、メンバー内でコミュニケーションが取れることがkintoneの魅力のひとつです。
アプリについているコメント欄を使えば、一つ一つのデータに対して、指示やアドバイス、コメントを共有できます。
手軽に導入できるkintoneですが、標準の機能にとどまらず、プラグインやkintone以外のシステムとの連携など様々な形で機能を拡張することができます。
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