経理の世界でもDX化が進む中、GENは企業に蓄積された大量のデータを収集して分析するためのBIツールに注目し、その活用法を研究しています。
今回は、BIやDWHに豊富な実績を持つZEALの独自クラウド型企業データ統合サービス「ZEUSCloud(Zeal Enterprise-data Unified Service Cloud)」を導入しているStay JAPAN 株式会社 マーケティングマネジャー 劉方遠様からお話を伺いました。
このインタビューでは、事業のマーケティング構造に合わせてBIツールをどのように活かしていくのか勉強させていただきました。
テキパキと図解を交えて説明して下さる劉様の聡明さ・スピード感に、IT力と共に、企業成長を支えるマンパワーを感じ、刺激もたくさん頂きました。
--------------- この度は、貴重な機会をいただきありがとうございます。
まずは御社の事業内容を教えて頂けますか?
劉さん 私たちStay JAPAN株式会社は、不動産、ホテル、医療など多角的に事業を展開する三光ソフランホールデ
ィングス株式会社を親会社とし、2017年4月に設立後「Stay SAKURA」、「Palm Spring」などのブランド
で京都・宮古島・東京を中心に約50棟の宿泊施設を展開してきました。
当初はインバウンド向けの宿泊施設としていたのですが、キッチンや洗濯機付きの家族に優しいアメニテ
ィや、長期滞在も可能なプランなど様々な客層のニーズにあわせた幅広いサービスを提供しています。
経営理念である「夢と希望の創造」の実現に向け、挑戦を続け、年々施設数・売上高を増やし、飛躍的に
成長しています。
(左)劉方遠様 (中央)弊社クライアントサービス部 松井 (右)弊社IT課 柳井
--------------- 素晴らしいですね!では、そもそもZEUSCloudを導入されたきっかけは何だったのですか?
劉さん わが社のビジネスモデルの特徴として、20部屋前後の比較的小規模な宿泊施設を多数(50棟)管理してい
るという点が挙げられます。
各プロパティの客層・平均宿泊数・客室単価等はバラバラなので、1000室の1店舗を管理するのに比べてマ
ネジメントが煩雑です。
そんな中でもホテルビジネスで重要なKPI(重要業績評価指標)である客室平均単価、稼働率、売上や収益
等の分析は欠かせません。
1週間ごとに各店舗の売上以外のKPIにもつながるデータを全て集計・報告するのは手作業では負荷が大き
いので、その負担を軽減すべく複数のBIツールを検討した結果、ZEUSCloudに辿り着きました。
--------------- 確かにそれだけ多くの店舗の膨大なデータを集計、分析までするのは手作業ではかなり大変そうですね。
実際にZEUSCloudを活用される際はどのような流れになるのですか?
劉さん まずは、元々利用していたホテルの宿泊管理を行うPMS(Property Management System:宿泊施設の管
理システム)から各棟のお客様情報や売上等の情報を入力・集計します。
そしてそれらをPMS以外で管理しているデータとあわせて、ZEUSCloudで一括管理しています。
ZEUSCloudの中にはデータの蓄積機能(DWH、Datalake)・多次元分析機能(キューブ)・視覚化機能
(ドシエ)等が含まれており、これらを各プロパティ・エリアごと、そして全体で集計&分析することが
可能になりました。
--------------- なるほど。ZEUSCloudの中にも様々な機能があるのですね。
導入にあたり、他のツールとも比較検討された上でZEUSCloudを選ばれたとのこと、その決め手を是非教
えてください。
劉さん そうですね、ZEUSCloudは運用負荷や多くのコストをかけることなく、データ分析基盤の構築・集計作業
の効率化を図り、KPIの可視化により意思決定を迅速にしたいという我が社のニーズにマッチしました。
また先に挙げた様な多数のKPIに関わる情報をまとめて蓄積・分析できる点が魅力的でした。
--------------- 今後のビジネスの発展時にも役立ちそうな特性ですよね。
劉さん はい!年々増える施設数に合わせて、柔軟且つ即時に新たな施設情報も追加できます。
それら全てを細かく分析しないとマーケティングとして顧客のニーズが把握しきれません。
そこで、自分が分析したいデータを自分で作成できる点に有用性と面白味を感じました。
--------------- いざ利用してみて、どこに使いやすさを感じましたか?
劉さん アウトプットがしやすいことですね。
IT知識はほとんど必要とせず、Excelの基本機能を使う要領で、レポート(ドシエ)を見やすく改良するこ
とができます。初心者でも扱いやすく、今後実践的に活用する上で専門知識が必要ないのは楽ですね。
--------------- そうなんですね!
反対に、使いづらかったり、大変だった点はありますか?
劉さん テスト段階で苦労をした点は、データのマッチングです。
DWHで取り扱うデータのコードの形式等が揃っておらず、間違ったデータをマッチングしてしまうと正し
いアウトプットが得られません。アウトプットされたデータが間違っていないかテストをする、その整合
性を確認する作業を繰り返し行うことが大変でした。
--------------- 最後に、今後ZEUSCloudの活用によってどのような効果を期待されますか?
劉さん ZEUSCloudを用いたKPIの分析は、マーケティング戦略に直結すると言っても過言ではありません。
例えば客室平均単価は日々のプライシングを行う上で重要な要素となりますし、顧客データ(性別・年齢
層・国籍等)はプロモーションを考える際の決め手となります。
更に特定の販売チャネル(予約サイト)の売上分析は、広告宣伝費の使い道に影響を与えます。
その上、打ち出した戦略に対してその成果を測ることもできます。
変化に富んだこの世の中で、ZEUSCloudはマーケティング活動においてますます欠かせない存在となるで
しょう。
--------------- 本日は大変貴重なお話し、ありがとうございました!
劉さん 是非弊社のホテルをご活用ください! 自慢できる素敵な施設ばかりです。
劉さんのお話しを伺って、顧客分析や販売戦略といったマーケティング活動全般においては元より、継続的に利益を最大化するためにデータを活用できることはビジネスにおいて重要な業務であることを再確認させて頂きました。
多数施設からの多様なデータも、ZEUSCloudのようなBIツールを活用して経営の実態や課題をリアルタイムに分析・可視化することで、売上向上や業務効率化を的確かつ迅速に行うことができるのです。
コラム「BIツールとは?」
多様なデータを分析・可視化することで、業務効率化
BIツールとは、ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)ツールの略称です。
データの分析・可視化を行うことで、意思決定の迅速化を図る情報アプリケーションになります。
会社経営には情報収集、分析が欠かせません。
IT化が進むにつれて、販売管理・顧客管理・会計管理など、多くのデータが情報として扱われるようになりました。
多様なデータの分析・可視化に特化しているのがBIツールの特徴です。
情報を集計してグラフ化することができるアプリケーションは以前からあります。
それらと比較したBIツールの強みは、
・形式の異なるデータソースに対応していること
・グラフや表の作成に優れていて、必要な情報の可視化が簡単にできること
・データが更新されると、レポートにもすぐに反映されること
です。
ITや分析の専門知識がなくても扱いやすく、近年注目を浴びています。
経理の現場でも、経営会議での月次発表でExcelを駆使した膨大な資料を基に行うやや旧態依然の方法から、BIツールを通じて、経営者のタブレットへ随時分かりやすい図表を用いた経営情報を提供する方法への改善が注目されています。
紙で報告した内容はドリルダウン出来ないのに対し、BIツールならドリルダウンしてその場で詳細を確認することが可能な点でも意思決定の早期化に役立ちます。
BIツールを活用することで、マーケティング戦略や経営判断をスピーディかつ的確に行うことができます。
どのデータを利用して何を分析し、役立てるかは企業次第です。
多くの可能性を秘めており、今後も研究していきたいツールです。
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