経理お役立ち情報2020.12.18
経理の仕事に長く携わっていますが、経理の仕事をリモート化するのは「難しい」、「いや無理」と思っていました。
何故なら届いた請求書を手に取らないと仕事が出来ないからです。
そのため、朝から晩まで事務所にいて、事務所に住んでいるのではと思うくらい働いていた時もあります。
しかし、私の考えはGENに入社してから少しずつ変化しました。
コロナ禍前からリモートで業務を行っており、出社社員との連携や、出社時・リモート時で行う業務の切り分け、クラウドの活用などで、経理業務もリモート化出来る事に気が付きました。
電子化の最大のメリットは、検索機能を使用し、必要な書類をすぐに見つけられ業務の効率化を得られる事です。
しかし、コロナ禍でも紙の請求書は今なお続き、領収書・請求書の紙での保存は一向になくなる気配はありません。
やはり紙の書類が好きな方は多いなと思います。
理由は?
GENのIT課では、以下の記事が話題にあがっていました。
「分析」の紙 vs「パターン認識」の画面
メディア批評の先駆者、カナダのマーシャル・マクルーハン(1911~1980年)は紙のほうが間違いに気づきやすい理由について、「反射光」と「透過光」の性質の違いを指摘した。前者は本を読むとき、いったん紙に反射してから目に入る光。一方、後者はパソコンやテレビの画面を見る際、直接目に入る光を指す。
紙に印刷して読むとき、すなわち反射光で文字を読む際には、人間の脳は「分析モード」に切り替わる。目に入る情報を一つひとつ集中してチェックできるため、間違いを発見しやすくなるのだ。
これに対し、画面から発せられる透過光を見る際、脳は「パターン認識モード」になる。送られてくる映像情報などをそのまま受け止めるため、脳は細かい部分を多少無視しながら、全体を把握しようとする。細部に注意をあまり向けられないので、間違いがあっても見逃してしまう確率が高くなる。
「紙」に印刷すると間違いに気づく理由 =「画面」にはない脳の働きとは?=
(出典:リコー経済社会研究所)
なるほど、とても納得しました。
私自身、何度もメール文章を読み直したのに漢字の間違いに気が付かなかった、という衝撃を何度となく経験しています。
しかし、やはり領収書・請求書は電子化された方が何かと便利ではないですか?と思ってしまいます。
電子帳簿の保存要件は、国税庁管轄の電子帳簿保存法で決められています。
領収書・請求書の電子保存化の足枷になるのは、電子帳簿保存法で求められている以下の3項目かと思います。
①税務署長の承認・・・電子保存を始める日の3ヶ月前までに所轄税務署長に申請書を提出
②真実性の確保・・・請求書が改ざんされておらず本物であると証明できること
③可視性の確保・・・誰でも容易に視認できること
(出典:国税庁ホームページ
①[手続名]国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請
②③電子帳簿保存法上の電子データの保存要件)
恐らく、②の真実性の証明に、手間暇と費用がかかってしまうからでしょう。
電子上「誰が・何を・いつ」を明らかにする為には、電子証明書やタイムスタンプが必要となってきます。
そのための準備・費用・手間を負担に思う会社も多いのではないのでしょうか。
しかしながら、電子保存のメリットである
・業務の効率化
・コスト削減
・情報セキュリティ強化
・事業継続対策
などを天秤にかけた時、電子化を考え始める法人は増えてくるのではないかと思います。
2021年も、まだまだwithコロナ生活でしょう。
働き方も、まだまだ変わるでしょう。
GENでは、電子化を考える法人様のサポートが増えてくるのではないかと期待しています。
K.N
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