第1回 クライアントマネージャー討論会

経理お役立ち情報2021.10.11


討論会テーマ   顧客満足(ニーズの把握と課題改善)
開催日      2021年8月
クライアント   株式会社 A様
請負業務内容   経理業務全般(日次~年次決算)
参加者      担当A:株式会社A担当のマネージャー
         担当B:株式会社A担当の社員
         進行C:別クライアント担当のマネージャー
         書記D:別クライアント担当のマネージャー
         オブザーバーE


 

進行C -- 本日はお忙しいところお時間作ってくださりありがとうございます。
    株式会社A様(以下A社様)に関する第1回「顧客満足討論会」をはじめさせていただきます。
    最初に担当AさんからA社様のニーズの把握状況をご説明下さい。

担当A -- はい、本日はよろしくお願いします。
    A社様とは日常的にコミュニケーションを図ることを意識しています。
    経営者様とVPC(※1)を共有しています。
     ※中略
    また、ニーズの把握に取り組む中で「経営に役立つ会議」と「社員様向け勉強会」等新しい取り組みを始
    めました。

書記D -- 「社員様向け勉強会」とは具体的にはどのような内容ですか?

担当A -- 簡単なPLの用語解説や見方のポイントです。

書記D -- 反響はありましたか?

担当A -- 質問をいただくこともあり、経営者様だけではなく社員の皆様も利益を意識されながら日常業務に取り組
    まれていることを実感しました。

担当B -- 私たちの作成する財務資料が実際に経営者様だけではなく社員様の元に届き、分析に活かされているのだ
    と知ることができ、現場目線での資料作成を意識するようになりましたよね。

担当A -- 実際、現在は部門別PLの資料の改善を行っています。

     ※中略

進行C -- では次に、業務改善に関して課題はありますか?

担当A -- はい、皆さんにご意見をいただきたいと思っているのが「月次の早期化」と「日々の売上把握」です、
    売上・原価の種類が複数あり、(※中略)という理由で確定値の把握が翌月〇日を過ぎるのが現状です。

書記D -- 対応策として考えていることはありますか?

担当A -- はい、「月次の早期化」に関してはフローの見直しと業務の担当を分掌し今月から実践しています、ただ
    「日々の売上把握」に関しては現状とても難しいです。

進行C -- そもそも、A社様が望んでいるのは「何か」を考えまてみましょう。
    確定資料が必要なのか、売上または粗利の速報値なのか。

担当B -- 私も勉強会に参加したのですが、現場の社員の方々は「日々の売上把握」を必要としていると感じまし
    た。

担当A  -- そうですね、目標値に対する到達度は特に現場のモチベーションを保つのに必要だと感じました。

進行C -- では、「月次の早期化」に関してはすでに改善に着手出来ているということもありますので、ここからは
    「日々の売上把握」をニーズとし話を進めましょう。

書記D -- 例えば、確定値でなくても、ある程度計算ルールなどがあり概算を日々把握することはできませんか?

担当A -- ルールはあると伺っています。ただし現状、私たちはその情報を持っていません。またその情報があった
    としても項目が詳細に分かれているため速報値として有効な数値を算出できるかどうか・・・
    フロー化するのも難しく、ルール自体も多く、かつ頻繁に変わります。
    実はこの課題は長年抱えているものでもあります。

進行C -- なるほど・・・
    月次早期化とは少し話が反れてしまいますが、例えば粗利に大きなインパクトのある売上の種類などA社
    様はその膨大な情報を把握した上で、営業活動を行われているのですか?

担当A -- そうですね・・・
    把握されているとは思うのですが、そこに関してお話したことは無いです。

担当B -- 私もありませんが、把握されていると思いますよ。

進行C -- A社様の社内でそういった情報に詳しい方を担当Aさん・担当Bさんは把握していますか?

担当B -- 〇〇様、かな?

担当A -- そうですね。
    
    ・・・、 そうか!だとしたら改定される項目もインパクトの大きいものは〇〇様が把握されている可能
    性が高いですね!

担当B -- 〇〇様と打ち合わせを設定させていただくことからもう一度この課題に取り組んでみませんか?

担当A -- そうですね!
    情報量が膨大なので精査するのに時間がかかりそうですが、A社様にもご協力いただき各種項目に関して
    把握することが出来るかもしれません。

書記D -- 労力を掛けてもインパクトの少ない粗利しか出ない、逆にここをあと少し頑張れば大きな粗利に繋がる、
    そういう情報を私たちからもご提供できると良いですね。

担当A -- はい、そういった情報に関しては売上項目を取りまとめている私たちだかこそお役に立てることがあるか
    もしれません。

      ※中略

進行C -- とても盛り上がっているところ恐縮ですが、討論会の時間をだいぶ超えてしまいました。全て解決とは行
    きませんでしたが本日はこの辺で終了したいと思います。

    最後にオブザーバーEさん、ご意見・ご感想いただけますか?

オブザーバーE -- 皆さん、お疲れ様でした、第1回目の討論会としては手探りな部分もあったかと思いますが、
    開催できたことが良かったと思います。

    話題に上がっていた「インパクトの大きい項目」という部分、KPIにつながるとても大切なポイントだと
    思います。

    今後は試行錯誤の中にKPI(※2)を見つける作業も入れていくとよいのでは?
    例えばA社様に限ったことではなく、一般的に「B to C」(※3)の企業様の場合だったら財務数値のほか
    に、来店数、接客数、商品(サービス)数、「B to B」(※4)の企業様も同じように計測指標を適切に
    設定する等、売上との相関が高そうな数値を見ていき、
相関が高いと分かった数値の強化を図る策を練
    る、ということを意識してみるのが良いかもしれませんね。

    今回の討論会で可視化された新たなニーズとその対応策を元に担当マネージャーは是非実践のプランを練
    って下さい。実践にあたり躓きがある場合は相談に乗りますので声掛けてくださいね!

    次回討論会も楽しみにしています!

担当A -- KPI・・・、そうですね、適切な指標設定のためにクライアント様に対しても聞き取りが必要な分より深
    いコミュニケーションが図れそうですね!

    皆さん、ありがとうございました。

担当B -- 皆さんのご意見伺えてよかったです。

書記D -- 担当クライアント様以外のお話が聞けたことで私も良い勉強となりました。

進行C -- それでは、第1回CLM討論会、終了します。皆様お疲れ様でした。

 

 


※1 VPC : バリュープロポジションキャンバスの略、「ニーズのずれ」を解消するためのフレームワーク。
      GENでは各クライアント様別にVPCを作成し活用しています。

※2 KPI : 組織の達成目標(売上目標など)に対して、目標に到達するために実行すべきプロセスを評価す
      るための指数。

※3 B to C : 企業が個人に対して商品・サービスを提供する取引。

※4 B to B : 企業間取引。


 

討論会終了後 担当マネージャー(担当A)の感想

参加された皆さん、お忙しいところありがとうございました。
討論会開催前は、正直担当クライアント様の詳細な業務を把握されていない中でどれだけ有意義なものになるのかな・・・、なんて考えていました。
討論会を終えて、「やるべきこと」がとても明確になりました。
実際、クライアント様より十分な情報を共有いただいている現状において、今ある情報の中で何とかしなくてはならない、と思い込んでいましたが、
この討論会の中で、こんなにも情報を共有していただけるクライアント様なのだから、ニーズにお応えするために必要な情報をきちんとお伝えすることで「今以上」を実現出来る可能性があるということに気付かされました。
GENのマネージャー陣には様々に異なるバックグラウンドを持った人材がいます。
会計・財務知識に強い者、長年現場経理の経験がある者、IT知識に強い者、マネージング能力に長けた者。
該当クライアント様の情報に精通していなくても、課題の可視化とその対応策のヒントを十分に得ることのできるチームであることをあらためて実感しました。

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