経営学とは

経営お役立ち情報2020.10.30

「経営」と聞くと難しいなと感じてしまう方が多いかもしれませんが、企業に所属しているならば、新入社員であっても、経営に携わっていないと思っている社員でも、全ての社員に深く関わってきます。それゆえ、経営視点を持つことで日々の業務に対する姿勢も大きく変わってきます。

 私も今まさにマネージャーを目指していく中で、経営学を実践に活かしていくことの重要性を感じています。経営学とは総合的な、そして誰もが学ぶべき学問なのです。

 

 経営学には以下の6つの分野があり、これらの観点から企業経営を考えることになります。

 

1. 経営戦略

2. マーケティング

3. アカウンティング

4. ファイナンス

5. 人・組織

6. オペレーション



 次に、ビジネスモデルを構成する4要素に着目することで、ビジネスを目的別に見ていきます。この4要素は事業経営の中核となります。

 

(1) ターゲット

(2) バリュー

(3) ケイパビリティ

(4) 収益モデル



(1) ターゲット

 まずはターゲットをはっきりさせることが大切です。顧客を細分化し、対象を絞り込みます。細分化しすぎても大きくしすぎても駄目で、ちょうど良いサイズがあります。

 

(2) バリュー

 なぜその商品が使われ、対価を支払ってもらえるかというと、それなりの価値があるからです。

 

 ・使用価値:それを使ったときどれくらい嬉しいか

 ・交換価値:それを手に入れるためにいくらかかるのか

 ・知覚価値:その価値を認識してもらう

  使用価値 > 知覚価値 > 交換価値

 

(3) ケイパビリティ

 ケイパビリティとは、価値(バリュー)を顧客(ターゲット)に提供するために必要となる、①オペレーション、②リソース、のことを指します。

 今回、①オペレーションは「組織」、②リソースは「ヒト」に焦点を当てて見てみます。

 

①オペレーション

 どうやって商品やサービスをつくり、運び、売るかといった運用方法や仕組みのことです。製造方法や物流、販売方法、組織構造が挙げられます。

 

 「組織」には、「硬い組織」と「柔らかい組織」があります。硬いというのは役割や所属、上下関係、指揮命令系統がはっきりしていることで、柔らかいとはそれらが曖昧なことを指します。どちらが良いか悪いかということではなく、硬い組織は同じことの繰り返しに強く、柔らかい組織は変化への対応に長けています。

 

②リソース

 ヒト・モノ・カネ(情報・知財)と言われます。働く人や設備、原材料、資金などです。最近では、特許や商標といった知的財産や顧客の情報が企業の持つリソースとして重視され、その価値が高く評価されています。

 

 「ヒト」については、まず生産性を向上させるには「モチベーション」を高める必要があり、そのためには良好な人間関係や適正な賃金が必要だということがわかっています。人間関係論には様々な分野がありますが、今回は「リーダーシップ」を取り上げます。

 

 リーダーシップには以下の3つの型があります。

 

 ❶支配型

  カリスマなリーダーによって部下を絶対的に支配するリーダー

 

 ❷サーバント(支援)型

  部下を支え導く、部下のためにつくすリーダー

 

 ❸コラボレーション(共同)型

  部下とともに考え働くリーダー



 私がリーダーを目指し始めた時、指揮、命令がしっかりしている支配型のようなリーダーを想像し、自分には到底無理だと思っていました。しかし、リーダーの形はそれだけに限らず、周りのメンバーに足りないところを補ってもらうリーダーでも良いのだと学び、前向きになれたことがありました。そのチームの状況やリーダーの特性によってマッチしたパターンを見つけることが大事なのです。

 

(4) 収益モデル

 (1)(2)(3)が揃っていてもコスト以上の対価を得られなければ、事業は永続的には回りません。私は会計に携わっているので、この収益モデルが一番身近で考えることが多いです。そして、資金不足、赤字、黒字倒産のような問題をさけるために編み出された手法が「会計学」です。



 この4要素はどの部署、どの部門に所属していても、理解し常に意識していなければならない重要な要素です。経営に必要なのは、事業を専門分野ごとに細切れに見ることではなく、事業全体を見ることだと実感しました。



参考:「新しい経営学」三谷 宏治

 

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