会社法とは

経営お役立ち情報2020.11.12

経理に関わる私たちに「会社法」はどう関わってくるでしょうか。

 

1.会社法の役割

 

「会社法」 は、2006年5月に施行された日本の法律です。

「会社」とは、会社自身が人間のように意思決定し、他者と取引をできるよう権利能力を持つ仕組み(法人)で、「会社法」の効力により、「会社」が人のように意思決定をすることができます。

 

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第三条 (法人格)

 

会社は、法人とする。

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会社法の役割は、会社をめぐる様々な権利関係を規定し利害を調整することで、会社経営に対する機動性や柔軟性を向上させ、健全な会社経営を図ることを主な目的としています。

権利関係とは、主に、株主・取締役・監査役・債権者・会社と取引をする第三者の関係です。

 

2.会社法の成り立ち

 

会社法は979条もある膨大な条文に加えて、記載されている言葉の使い回しや表現、構成などが非常に複雑で、法律の専門家にとっても非常に難しい法律と言われています。

 

会社法が施行される前までは、以下の3つの法律に分散されていました。

・商法第二編

・株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律

・有限会社法

 

この分かりづらさを解消するために、「会社法」として再編成されました。

 

3.会社法と経理

会社を経営している方、もしくはこれから経営しようとしている方にとって、会社法の知識はもちろん必要ですが、実は経理担当者にも深く関わっています。

ただ、必要に応じて調べていけば良く、多くのことが会社法に基づいていると知ることが重要です。

 

実は、普段何気なく知っている事や行っている作業が、会社法で定められているといったことがよくあります。

例えば、会社の定款などを見ると、取締役や監査役などが記載されていますが、これらの役員は会社法で定められています。

会社には、取締役や監査役がいらっしゃる、というのは当たり前と思っていますが、それは会社法によって決められているからなのです。

経理担当者としては、このあたりも理解しておきたいと思います。

 

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第三百二十六条 (株主総会以外の機関の設置)

 

株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。

2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。

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また、私は以前、定款の重要性を知りませんでした。

たまに依頼を受ける「定款を用意しておいて」なんて言葉に、「はて、そんな物どこに保存してあったけ?」と慌てて探していました。

実は、定款は『会社の憲法』と言われ、会社の運営につき定款自治(法律に反しない限り定款で自由に定めてよい)と会社法で謳われているのです。

定款に必ず記載しなければならない事項も、会社法で定められています。

会社法は全ての会社に当てはまるルールであり、定款は会社独自のルールであるけれども、『会社の憲法』と言われるほど立派な書類なのです。

 

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(定款の記載又は記録事項)

 

第二十七条 

株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

一 目的

二 商号

三 本店の所在地

四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

五 発起人の氏名又は名称及び住所

 

第二十八条 

株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。

一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。)

二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称

三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称

四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)

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便利なことに、会社法全文は、e-GOV(イーガブ)という総務省が提供するウェブサイトで検索・閲覧できます。

 

電子政府の総合窓口(e-Gov) 会社法

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/417AC0000000086_20200401_429AC0000000045/0?revIndex=4&lawId=417AC0000000086

 

経理業務を遂行するにあたって、疑問に思ったら気軽に検索してみてください。

「会社法」を身近に感じ、ぜひ、普段の経理業務にも活かしてもらいたいと思います。

 

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